将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

勝又教授の補修講義 on Twitter

週刊将棋「段・級位認定次の一手」

先月末、私は「週刊将棋」1月27日号を読んでいた。
目にとまったのは、「段・級位認定次の一手」解答のページ・四、五段クラスの正解図。その部分図が下の第1図だ。

後手玉には必死がかかっていると考えていただければよい。また、ななめのラインが空いており、▲6八角や▲7九角で逆王手がかかる形でもある。


正解図の作意は、以下△7九銀不成ときても▲9七玉△7五角▲8六角△8五桂▲9八玉で、以下△6八飛成には▲同角が逆王手となるので先手勝ち、というものだ(逆王手にならないと△9七歩で詰んでしまう)。
△6八飛成の代わりに△9七歩でも、▲同桂△同桂成▲同玉△8五桂▲9八玉で同様に詰まない。


私は困っていた。最初の△7九銀不成のところ、△7九角と重く打てば詰んでしまうのではないか?すなわち、△7九角▲9八玉(▲7八玉には△7七銀成)△9七歩▲同桂△8八角成!▲同玉△7七銀成▲8九玉△6九飛成とすれば、作意と思われる*1▲7九角にも△7八竜でなく△同飛成!▲同玉△6七桂▲8九玉△7八角以下詰んでしまう。▲7九角合いのところ金合いでも取って詰み、歩合いでは受けになっていない*2


もしかして、問題をつぶしてしまったのか?しかし、この程度だったら多くの人が気付くはずだ。問題が出題されたのは、2週間前の1月13日号。この間に誰も指摘していないわけがない。しかし私には作意がわからない・・・
困った挙句私は、誰宛てというわけでもなく、誰でもいいから回答を下さい、というすがる思いでTwitterにつぶやくことにした。


週刊将棋1月27日号の「次の一手・解答」の四、五段クラスですが、▲3四金以下△7九角▲9八玉△9七歩▲同桂△8八角成▲同玉△7七銀成▲8九玉△6九飛成▲7九角(逆王手。作意?)△同竜▲同玉△6七桂以下詰んでませんか?

回答は、わずか10分後に、それも思いも寄らない方からいただいた。当ブログでも何度も紹介している(下記参照)、勝又清和六段だ。

勝又教授の回答


@thirdfilerook ▲7九角合ではなく▲7九歩合で詰まなそうですね。

これだけで、一瞬で事情を察した。将棋を指したことがない方々にはこのビビビ感、今風に言えば(?)「アハ体験」は理解できないかもしれないが、特定の一手を指摘され、その変化を改めて意識した瞬間にその先の変化が洪水のように脳内に流れ込み、一瞬で謎が氷解する、ということが良くある(これが、「感想戦をするとよい」と言われる理由の1つといえると思う)。
と、偉そうなことを言ってはみたが、本局面の場合はなんてことはない、たった3手の読みである。歩合いで取っても詰まず、他の変化も9八に逃げられて詰まない。
勝又教授に回答をいただいたという喜びと、なぜ詰むと錯覚してしまったのかという自分への呆れと恥ずかしさで、複雑な心境となった*3
ともかく、勝又教授にお礼を返し、解答もわかったことで、私の中ですっきりと終えることができた。


・・・わけではなかった。勝又教授は、この問題を見ていて、何かインスパイアされるものがあったのかもしれない。すぐさま、詰将棋問題を出題されたのだ。

勝又教授の補修問題


玉型1一玉・1三桂・2三桂・3三桂、 攻め方4四飛・2四桂、 持ち駒「歩」これは有名な古典詰め将棋。ではそれに攻め方5四玉を加えると、果たして詰みますか?

これを図で示すと、それぞれ第2図、第3図となる。

銀杏記者によると、


以前、週刊将棋紙の講座で出題されていた問題でしたよね。

とのことだ。


これらの問題が出題されたのは、上述のやり取りがあったわずか1時間後。第3図は見るからに逆王手問題。Twitterユーザー全員に向けた詰将棋出題だが、私は自分への補修問題と受け取った。これは是が非でも解かねばならない。
以下、解答編。

解答

解答は、勝又教授の以下のつぶやきで確認していただくことにしよう。

はじめ中合いを見落としてしまい、もたついたものの、私も無事正解することができた


悩み、回答をいただき、補修問題までいただいたことで、しっかりと記憶に定着した。もう逆王手の筋で痛い目に会うこともないはずだ(多分)。勝又教授、ありがとうございました。

*1:こちらは作意ではなかった。私の勝手読み。「逆王手で勝ちになる」という先入観があったため、その他の合い駒を深く読まず、錯覚を引き起こした要因となった。

*2:後述の通り、錯覚。ひと目詰むと思ってしまった。

*3:おそらく、△7八成銀から△8九竜(行けるわけがない)という詰み形が頭をよぎったか。