将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

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偽・石田流(5手目▲7五歩)

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天童・将棋資料館に行ってきた

もう2年前の話になるが、天童にある将棋資料館に行ってきた。


現代の名工による宝石のような将棋駒の他、世界各国のチェスや将棋の原形と言われるインドのチャトランガ等を展示。将棋駒の生産量 日本一を誇る天童ならではの施設。

撮影禁止だったので写真としては残っていないが、いくつか紙の資料をいただくことができ、そのうちの1つに「あらまし」という日本将棋連盟天道支部の会報誌があった。会報誌では、天童で行われているアマチュア棋戦などが紹介されている。
その中の「第4回国際将棋トーナメント」の一局で、衝撃的な序盤戦術があった。

5手目▲7五歩

先手石田流で5手目▲7五歩はまずい、と聞いて、局面が思い浮かぶ人もいるかもしれない。
すなわち初手から▲7六歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7五歩?!(第1図)と進展。

先手は、アマ三段の外国の方である。やはりいくら強い方でも「定跡」という安全な舗装道路を知っているのと知らないのとでは大違いだなと感じるとともに、外国のアマチュア棋士は情報を入手する手段がとぼしいために損をしているな、と感じさせられる。
外国の方向けの棋書なりコンテンツが充実していれば、良くなる定跡、悪くなる定跡の知識が格段に違ったかもしれない。
この辺りの弊害を感じた一局だった。
あるいは実戦経験が豊富であれば、大舞台で特定の戦法を採用する前に、練習将棋で痛い目に会い学習できていたかもしれない。これについては「81-Dojo」「PlayOK」にカバーしてもらうとしよう。

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余談だが、第1図から△8六歩▲同歩△同飛とされたら明らかに先手が悪いものの、先手が上手(うわて)であれば、案外これでも手順を尽くしてごまかしてそこそこ戦えそうだな、と意外に感じたところもある。
やはり石田流は奥が深い。