将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

「iShogiSalon for iPhone/iPod touch」レビュー

iShogiSalon for iPhone/iPod touch

Apple App StoreにあるiPhone/iPod touch向け将棋対局アプリのうち、今回は「iShogiSalon for iPhone/iPod touch」を紹介しよう。


iShogi Salonへようこそ!ついにネットワーク対戦可能な将棋ソフトの登場です。
チェスは知っていても将棋は知らない人大歓迎です!
3D表示が可能にした自由な操作感と美しいグラフィックを実現!


トップページの画像からわかるように、ネットワーク対戦、Bluetooth対戦、そしてローカル対戦が可能だ。
ローカル対戦では、相手はコンピュータのレベル1、2、3の3つから選べる。人間同士で対局したい場合は、iPhoneまたはiPod Touchを所有している友人にもこのアプリを入れてもらい、ネットワーク対戦またはBluetooth対戦を行う必要がある。
ローカル対戦で選べるコンピュータは、本当に弱い。レベル3でもアマチュア5級あるかないか、というかおそらくないと思う。(ただし、後述するようにネットワーク上に恐るべき強豪コンピュータが待ち構えている。)


3種類から選べる駒スタイル


駒スタイルは、和風3D、和風2D、そして洋風の3つから選べる。
まずこれが和風2D。これが一番見やすいと感じる。



続いて洋風3D。奥行き感が立体的に表現されているのがおわかりかと思う。
和風3Dの画像は省略するが、和風2Dにこの奥行き感を加えたものだ。
3D表示は個性的で面白い。ただし、奥の方の駒を動かすとき、升目が小さいのでタップしづらくなっているのが欠点。
洋風3D表示は、チェスに慣れ親しんでいない私には残念ながら駒の区別が直感的にわかりにくい。iPadのような大画面だとよいのだが。


GPS将棋と対戦可能

このアプリの最大の特徴は、ネットワーク対戦ができることだろう。
人が大勢いれば、将棋倶楽部24のように盛り上がるのだろうが、残念ながら過疎状態が続いている。今のぞいたところ、4名くらいいるだけだ。
ただし代わりに、ネットワーク上には「GPS将棋」が常に待ち構えている。これは大変すばらしい。


GPS将棋について
将棋サロンにはGPS将棋が入場しています。
GPS将棋は2009年度世界コンピュータ将棋選手権で優勝している大変すばらしい将棋プログラムです。
またGPS将棋はGPLライセンスにより配布されており、ドリームオンラインの責任のもとで、そのまま改変を行わず実行しています。 GPS_Pawn〜GPS_Kingと強さがことなるものが登場しますが、これはGPS将棋の機能である持ち時間を調整することで実現しています。

GPS将棋の良いところは、とにかく強いところ。逆に良くないところは、これまたとにかく強いところ。ほどよい対局相手とはなかなかならない。一応「将棋倶楽部24」で二・三段ある私だが、一番最弱とされるGPS_Pawn相手に今のところ2勝18敗、勝率1割という散々な有様だ。

痛い目に会っているのは私だけではないらしく、左の図ではGPS_Pawnが92勝2敗という圧倒的な成績を誇っているのがわかる。
GPS_Pawnが弱くない理由は、GPS将棋がアルゴリズム的に(ところどころで次善手をわざと選んだり、など)強さをコントロールしているのではなく、上述のように持ち時間を調整することで強さをコントロールしているからだと考えられる。
プロ棋士の対局のネット中継で、将棋観戦の手引きとしてGPS将棋ボットである@gpsshogiを参考にしている方々ならおわかりのとおり、GPS将棋はさほど時間を使わなくてもいい手を見つけてくる。これはボナンザボット(@Bonanza_shogi)も同様だ。時間を使えばより良い手を見つけてくるのは間違いないが、おそらく「第一感」からさほど指し手は変わらないのではないか。すなわち、GPS_PawnからGPS_Kingまでは24レーティングで2000点〜2300点といった高いレベルでのちょっとした棋力の違いなのだと思う(多分)。本当は、レーティング500点辺りから200点刻みでPawn<Lance<Knight<・・・<Rook<Kingと強くなっていくような対戦相手となっていることが望ましい。


GPS将棋開発者の方に聞いてみた

先月、GPS将棋開発者の金子さんとお話しする機会に恵まれた(詳しくは下記参考URL参照)。そこで、「iShogiSalonのGPS将棋が強すぎるのですが」と聞いてみたところ、「GPS将棋は自然な弱さを実現するアルゴリズムは搭載していませんからね。」とにこやかに話してくださった。
なお金子さんはGPS将棋を通して、強さの追及はもちろんだが、もう一方で将棋の自動自然言語解説の研究を進めている。これについては別のエントリーで紹介したい。

2010/03追記

2010/03/04のエントリー「Googleブックサーチなんて怖くない?!棋書検索サービス案」にて、上述の金子さんのお話について紹介しました。
(追記ここまで)

まとめ

iShogiSalonは、将棋入門者(アマ10級辺り)と強豪(将棋倶楽部24で三段以上)という両極端の方々に適した将棋アプリといえるのではないかと思う。PC上でボナンザなどの強豪ソフトと対戦するのが好きな方は、外出先でGPS将棋と対戦してみてはいかがだろうか。ただしネットワーク対戦なので、安定したWiFiまたは3G接続が必要となる点には注意(電車内では途中で落ちると思う)。

2010/02/14追記:公式紹介動画

開発元であるDreamOnline社様作成の公式紹介動画を見つけたので、ここでも紹介しておこう。