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「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

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銀河戦:小倉久史七段が三間飛車を駆使し決勝トーナメント進出

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「下町流三間飛車」の使い手、小倉久史七段

三間飛車党の方々にとって小倉久史七段といえば、「下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究 (振り飛車の真髄)」でお馴染みだろう。

下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究 (振り飛車の真髄)
下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究 (振り飛車の真髄)小倉 久史

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その小倉七段が、第17期銀河戦にて三間飛車の連続採用で4連勝。Aブロックの最多勝ち抜き者として決勝トーナメント進出を決めている。しかも、今流行の石田流ではなく、序盤早々にすぐ△4四歩(または▲6六歩)と角道を止める、いわゆる「ノーマル三間飛車」で、だ。

参考URL

特筆すべき内容

しかも勝ちあがってきた内容がすばらしい。以下に簡単に列挙してみよう。

対戦相手が強敵

初戦が糸谷哲郎五段、2戦目が平藤眞吾六段、3戦目が松尾歩七段、そして4戦目が島朗九段という、若手強豪と古豪が入り混じる、そうそうたるメンバーだった。

4局中3局が後手番

九段戦を除き、3局が後手番。厳しい後手三間で勝ち抜いている。

4局とも相手が居飛車穴熊

今に始まったことではないが、やはり居飛車穴熊が猛威を振るっている。とりわけ持ち時間の短い銀河戦では、角や桂の「流れ弾」をうっかり食らわないよう、とにかくしっかり囲ってしまいたいという心理が居飛車党に働くから、なおさらかもしれない。また、短い持ち時間の中、攻めに専念できる可能性が高くなるという利点もある。
しかし小倉七段は居飛穴を打ち破り続けた。

  • 糸谷五段戦は、相穴熊
  • 松尾七段戦は、居飛穴に囲いきる前に向かい飛車に振り直して攻めつぶし。
  • 平藤六段戦、島九段戦は、美濃囲い+石田流へのシフト。

という、「虹色三間」*2とも例えられそうな多彩な構想を見せた。天晴。

残る戦いにも大いに期待

ちなみに、小倉七段は最多勝ち抜き者として決勝トーナメント進出は決めているものの、まだ本戦トーナメントは終わっていなく、残るは行方尚史八段と三浦弘行八段の2人。こちらの戦いにも期待しよう。流れからいうと、三間飛車戦法で貫いてくれるだろう。もちろん、決勝トーナメントでも?

*1:ところで、以前からずっと気になっているのだが、なぜ「囲碁・将棋チャンネルホームページ」はフレーム構成になっているのだろう。どのページもURLが同じになってしまうので、非常に使い勝手が悪い。ページを参照・紹介するときにとても不便だ。SEO的にも良くないはず。修正した方が良いと思う。

*2:ご存知「虹色四間」のもじり。「5五の龍 - Wikipedia」参照。