将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

2手目△3二飛戦法の追加情報と「新鋭居飛車実戦集」

ここ最近入手した、「2手目△3二飛戦法」(いきなり三間飛車)の追加情報を紹介しておこう。

受賞者である今泉健司三段は、2007年度後期三段リーグで2手目△3二飛を採用していた。

「将棋世界」2008年6月号内「第35回将棋大賞選考会」より。私はてっきり、三段リーグとプロ公式戦を合わせても、長岡裕也四段が最初だと思っていた。同誌には2手目△3二飛が升田幸三賞を受賞するにいたるまでの議論の経緯等が詳細に載っているので、興味のある方はご参照あれ。

「後手番初手△3二飛」戦法??

同じく「将棋世界」2008年6月号内の、「関西棋界みてある記」(東和男氏 記)にて、本戦法が「後手番初手△3二飛」という名称で書かれていた。


発表されているように「升田幸三賞」を関西奨励会在籍の今泉健司三段が受賞した。選考理由は「後手番初手△3二飛」の創案者。今泉が実戦で試みたのを伝え聞いた関東の長岡四段が公式戦で指し、羽生二冠も採用して一躍有名になった。
「2手目△3二飛」という名称で升田幸三賞として発表されているのに、なぜ新しい名称をわざわざ用いたのだろう?直感的により優れた名称であればともかく・・・。「後手番側の初手だから」、という意図は伝わるものの、理解するのにワンクッション余計に必要となっている感じがする。
一方で「いきなり三間」という名称は、従来考えられなかった「いきなり」感が伝わり痛快で面白く、「2手目△3二飛」とは異なる命名趣向なので、まだ許せるのだが。


なお、第28回(2001年)升田幸三賞を受賞した三浦弘行八段の「ミレニアム囲い」に、「トーチカ」という別名称があるのも、前者は時代を反映(ミレニアム(千年紀)に誕生)、後者は機能性を反映、という異なる命名趣向であるので、許容範囲と考える余地が同様にある。

3手目▲7五歩でも後手不満なし。

2008/03/12のエントリー「続・いきなり三間」で、3手目▲7五歩と突かれたときに後手はどうすればよいのかわからない、と述べた。これに対する回答が「Amazon.co.jp: 新鋭居飛車実戦集 [マイコミ将棋BOOKS] (マイコミ将棋ブックス): 西尾 明, 大平 武洋, 村中 秀史: 本」に載っていた。少し意外な手順だった。発売したばかりなので引用は避けておく。

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内容紹介
本書は居飛車党本格派よる自戦記集です。著者の3人はいずれも将来有望な若手棋士で、森内名人、久保八段、木村八段など、一流棋士と戦った将棋を解説しています。戦型は対振り飛車と、矢倉を中心とした相居飛車です。「研究」と題したページでは、実戦に現れなかった流行の序盤や、中終盤の重要な変化を詳しく解説しています。若手棋士がどのような考え方をして居飛車を指しているのかが、よくわかる一冊となっています。


この書籍、「居飛車実戦集」というタイトルのため期待していなかったのだが、実戦譜1つ目(2008/02/18 ▲西尾明五段VS△中村亮介四段)が2手目△3二飛戦法だったので意表を突かれた。そう、相居飛車戦だけではなく、居飛車VS振り飛車の対抗形も含まれる書籍だったのだ。
というわけで、反面教師的意味合いを少し含みつつ(とはいえ敗着を除けば振り飛車側も見事な指し回し)、振り飛車党の方にも読み応えのある書籍といえそうだ。


本内容は、いずれ2008/04/04のエントリー「「2手目△3二飛戦法」まとめ (特許明細書風)」にも追記しておく予定です。

更新履歴
  • 2008/05/28
    • 初稿。
  • 2008/06/01
    • 『「後手番初手△3二飛」戦法??』を追記。