将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

第54期王将戦第2局


先日行われた王将戦第2局は、後手森内俊之王将がなんと意表の後手三間飛車。対する羽生善治挑戦者は無難に居飛車穴熊に組んだ。上図に示すのように、序盤で森内先生が趣向を凝らしている。とはいえ、実はここまでは「三間飛車道場〈第1巻〉居飛穴VS5三銀」(所司和晴七段 著)の205ページ第10図までと同一局面。
ここから、書籍では本筋を▲9六歩、第2候補を▲7九金、そして第3候補を▲3六歩としている。このうち▲3六歩については、以下△9五歩▲4六銀△8五桂▲3五歩△4五歩▲同銀△4二飛▲4六歩△9七桂成▲同香△9六歩▲同香△同香▲9七歩△同香成▲同桂△9六歩▲9八歩△9七歩成▲同歩△8四桂で先手苦戦、とのこと。
しかし、実戦はこの第3候補▲3六歩である。以下△9五歩▲7八金△7二玉▲4六銀△5一角▲3五歩と進み、以降5筋と7筋の攻めをうまく絡め、終始羽生先生が圧倒する形となった。
確かに、いきなり行く前に一度▲7八金と固めておけば、後手はそれと同価値の待つ手がない(△7二玉は、戦場に遠くはなったが堅くなってはいない)。かといって先手が仕掛ける前に△8五桂と跳ねるのは、当然指しすぎとなる、と考えられる(私の棋力では断言はできない)。
とはいえ、▲7八金△7二玉を入れた後の▲4六銀に対しても、後手が上記の端狙い手順を進める(つまり、本譜の△5一角のところ△8五桂とするということ)とどうなるのだろう?
棋譜をご覧になりたい方は「スポニチアネックス 王将戦」でどうぞ。ちなみに下図は、上図の数手前、△7三桂と跳ねた局面。居飛車側としては、次の△6五桂を受けるためについ▲6六歩や▲6八角などと指してしまいそうだが、受けなくてもよい。△6五桂には▲9五角(王手)という切り返しがあるからだ。実戦も、下図での羽生先生の指し手は▲8八銀。序盤構想が広げられる豆知識だ。