将棋の神様〜0と1の世界〜

「三間飛車のひとくちメモ」管理人、兼「フラ盤」&「チェスクロイド」作者がおくる、将棋コラム

続・三間飛車道場第3巻 書評

10/21のダイアリーで述べた、「三間飛車道場第3巻 急戦」について追記する。

三間飛車道場〈第3巻〉急戦 (東大将棋ブックス)
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まず序章は省略。第3章・5三歩型三間飛車は、本筋をざっと読み進めただけだが、いい勝負とのこと。一般に、5三歩型は後手三間飛車側不利と言われている感が強いため、意外だった。
第4章・△9四歩早突きは、いわゆる「対先手急戦・コーヤン流」だが、結論から言うと、「深浦流」(「振り飛車破り 超急戦ガイド」参照)で居飛車良し。解説ページ数も非常に少ない。「コーヤン流三間飛車 実戦編」でこの形が紹介されなかったのは、やはり振り飛車側を良くする変化が見つからなかったからなのだろうか。
戻って第2章・4五歩早仕掛けは、変化が多く紹介されているが、結論を言えば両者最善を尽くすと先手が微差で良さそう、とのこと。これが正しいとすると、先手居飛車側は対後手三間に対してはこれでも良し、ということになる。にもかかわらずなぜプロの実戦譜が少ないかというと、居飛車穴熊のほうがより勝ちやすい、と現状されているからである。これは周知の事実であろう。
さて最後に第1章。この章が、全ページ数の3分の2強を占めており、非常に深く解説されている。ここで紹介できる分量では当然ないので、気になった点だけ紹介しておく。

上図は、10/07のダイアリーでも取り上げた局面。これは、「コーヤン流三間飛車の極意 急戦編」では「以下△5七歩で激しい戦い」とだけ記され、「コーヤン流三間飛車実戦編」では「より勝る修正手順・△3三角▲同角成△同桂▲5五角△5七歩」で、以下11ページ(!)に渡り変化を解説し後手良しとした局面である。
これに対し「三間飛車道場」では、なんと「△4一飛▲1一角成△5七歩で後手良し」。これだけ。確かに△5七歩以下▲同金や▲6八金なら△2七銀。▲同銀は単に△4九飛成かまたは△3九角か。▲5九金引だと私の棋力では具体的手順はわからないが、後手良しなのだろう。戻って▲1一角成のところじっと▲4七歩などとされるとこれまたよくわからないが、とにかく後手良しだと考えることにする。
となると、上の局面から角合わせでも飛車引きでも後手良しだということだ。どちらのほうがより勝るのだろう。東大将棋のほうで△5七歩以下の展開についてもっと解説してほしかったとともに、コーヤン本で延々と解説するくらいなので角合わせのほうが勝るのだろうか。
定跡書を読んで、ひとつ謎が増えた。